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骨粗しょう症の原因や予防、改善方法

腰痛は人生における天敵

多くの人たちは、「記憶力」「身体能力」「免疫」など健康を支えている要素が、「加齢(老化)」をするにつれて低下していきます。

それによって、自分一人では生活がおぼつかなくなり最終的には介護を受けることも考えなくてはならないでしょう。

しかし、そんな悩みの中で、「腰痛」は年代、性別、国籍、経済的事情、そして加齢などを問わず絶えず抱えがちな問題です。

下半身に位置する腰は、上半身を支える、立ち上がり、歩行、走行など幾多の動作を担う大切な機能を備えた部分です。

それが腰痛によって成り立たなくなるのは死活問題といえるでしょう。

この現状から、腰痛は人生における天敵と評しても何ら問題がないといえる存在です。

腰痛の基本

腰痛に関する概要は次の通りです。

英語名

Low back pain

症状の傾向

  • 腰が重い
  • 腰に激しい痛みがある
  • 疲れを感じた時に腰が痛い
  • 腰からふくらはぎまでの部分で痛みやしびれを感じる

腰痛の種類

  • 急性:6週間(約1.5か月)まで
  • 亜急性:6週間~12週間(約3か月)
  • 慢性:12週間以上(約3か月以上)

改善するまでにかかる期間

発症後、治療を施せば数週間以内で改善されるが、慢性的に発生したりもするため、個人差がある

生活に与える影響

  • 仕事面:荷物運びや交通誘導、警備などの肉体労働、事務といったデスクワーク、双方の職種に対応できなくなる可能性もあって脅威と考える必要がある
  • 医療面:治療までにある程度の時間がかかるため医療費負担が大きい
  • 健康面:規則正しい行動がとれなくなって日常動作に影響を与える

その他

  • 統計上では、先進国の方が腰痛の経験があると答えている人が多い
  • 加齢が進むにつれて腰痛の発生率は高い
  • 日本人の過半数以上は腰痛を経験しており、国民生活基礎調査では、男性では1位、女性では2位の有訴者率を誇っている

このように、治療までにある程度の期間が必要なこと、日本人のほとんどが腰痛の経験をもっていることなど非常に身近な存在になっているのが現状です。

そして、この症状による生活全般に与える影響は大きく、悪性新生物(がん)と同様に、「早期発見・早期治療」が求められています。

腰痛の治療法

では、腰痛の治療法ですが、主に次のようなものが確立されています。

薬物療法

一般的にもっとも実施されている治療法

使われる薬物は主に次の通りである

  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs):痛み止めの役割がある
  • アセトアミノフェン:解熱鎮痛薬
  • 神経障害性疼痛治療薬:神経伝達物質を抑制して神経の痛みを和らげる
  • オピオイド:鎮痛効果が強く脊髄から脳への痛みをブロックする
  • 鎮痛補助薬:NSAIDsなどでは対応できない場合に用いられるが本来は治療薬としては用いられない
  • ステロイド:抗炎症、鎮痛、免疫抑制などの作用を持つ
  • 麻酔薬:神経の痛みをブロックする

副作用が起きることも多いため必要以上の服用は避ける

神経ブロック治療法

  • 文字通り神経をブロックするために局所麻酔薬を注射する治療法
  • 薬物療法と併せて実行されることが多い
  • 血流の流れがよくなって筋肉のこわばりもなくなる

理学療法(リハビリテーション)

  • 体を動かして治療する治療法
  • 理学療法士や医師などの専門家が指導に当たる
  • 運動療法、温熱療法、電気刺激療法などがある
  • 医療のみならず高齢者への健康促進のために介護施設や自宅での訪問形式でリハビリテーションが行われることが多い

認知行動療法・リエゾン療法

  • 認知療法(痛みに関する認識を修正すること)と行動療法(痛みと行動の因果関係を知って日常生活でできることを増やすこと)を組み合わせた治療法
  • リエゾン(連携の意味を持つ)療法は、複数の外科や精神科、内科の医師が連携することで、心身の両面から治療を行う治療法

他にも運動を行う運動療法など、腰痛改善を目指した治療法があります。

当然、これらを行う前に主治医に対して、症状に至った経緯と治療法は必ず事前相談しておくことが大切です。

特に薬物療法は、薬物を使うため主治医の指示に従って行いましょう。

【腰痛の完治に関して】

ただし、腰痛の治療方法は前述の通りあるものの、「完治」という段階まではなかなか難しいのが現状です。

それは、腰痛のメカニズムが未だ完全に解明されていないからです。

実は、腰痛の原因は、骨折、感染症、がん、変性疾患などはっきりしているものは全体の15%に留まっています。

これを、「特異的腰痛」といいます。そして、残り85%は今も研究中の段階です。これを、「非特異的腰痛」といいます。

レントゲン写真とかを撮影してもはっきりとした原因が分からないという診断結果をもらうことが珍しくないのはこういった実態が影響しているからといえます。

【骨粗しょう症の存在】

レントゲン撮影した骨

ところで、腰痛に関して辿っていくとある症状が見えてきます。それは、「骨粗しょう症」です。これは、特異的腰痛に分類されている、「骨折」の原因の一つとなっている症状です。

未だ全容が解明されていないとはいえ、骨折は腰痛を引き起こす傷害なのは前述を考慮しなくても十分に考えられるため、この症状について知っておくことは非常に良いといえます。

骨粗しょう症の基本

骨粗しょう症に関する概要は次の通りです。

英語名

Osteoporosis

症状の定義

骨密度が低下または劣化によって骨の強度が脆くなり、通常よりも骨折を起こしやすい状態

症状の種類

原発性骨粗しょう症:閉経や老化によって骨密度が低下する症状

続発性骨粗しょう症:何らかの病気を背景に発生する症状

その他

生まれつき(先天的)よりも日々の生活を送っている(後天的)によって骨密度が低下して起きることが多い

男女を比較すると、女性の方(特に高齢者の女性)が骨粗しょう症を持っていることが多く、推定1000万人以上いるとされている

症状に気がつくのは遅い傾向があり、骨折などをして初めて気がつくことも珍しくない

女性に特に多く、生まれつき持っているものではなく、日々の生活を送っていくうちに骨密度が低下することが特徴にあることが分かります。

幸い、DXA(dual-energy X-ray absorptiometry)といった骨密度を測定する方法は確立されており、定期的な測定をしておくことで自分の骨密度を把握しておくことは可能です。

原因と治療法

骨粗しょう症の原因と治療法は次の通りです。

原因

人種や体型など先天的な要素によるもの

アフリカ系のように日本と比べて過酷な環境で生活をしてきた人種は、骨粗しょう症が発生しにくいといわれている

運動、喫煙、食事など後天的な要素によるもの

  • カルシウムやビタミンをあまり摂取しない飲食
  • カップラーメンなど添加物の高い飲食
  • 運動をしない

治療法

  • 適切な食事:特にカルシウム、ビタミンなどを摂取する食事をすること
  • 適度な運動:ウォーキング、サイクリングなどがおすすめである

このように腰痛と異なり、骨粗しょう症は食生活と運動をしっかりと実践していれば改善される症状です。

もちろん、ケガはそれでも起きる場合もあるので普段から細心の注意を払って行動することも大切です。

腰痛と骨粗しょう症に対する向き合い方

落ち込む骸骨

未だ多くの謎が残っていて解明が急がれる腰痛ですが、身体を支えているのは筋肉と骨である基本があります。原因や治療法は専門家に一任するしかありませんが、原則として健康に配慮した一日のスケジュールを考えて実践することが前提にあります。

少なくとも骨粗しょう症は、腰痛の原因の一つとして見られている骨折に繋がる恐れがあるものの、その原因と治療法が確立されており、未然の防止が十分可能です。

よって、まずは骨粗しょう症から腰痛防止のために取り組むことから始めるみることをおすすめします。

確実に分かっているところから改善をしていけば、結果として腰痛自体も恐れることはなくなっていくでしょう。